2026年10月7日更新:現在の第一候補をQwen3.8 27Bに変更しました。独自検証の結果は、実際に検証した旧モデルの記録として残しています。
この記事では、コーディング向けの最良のローカルモデルを取り上げます。ローカルLLMがClaude、GPT-5.5、Geminiなどのクラウドのフラッグシップモデルと比べてどうなのかも知りたい方は、コーディング向けの最良のクラウドモデルとオープンソースモデル →をご覧ください。
要点
- コーディング向けの最良のローカルモデルは、今やクラウドのフラッグシップモデルに迫る性能を備えています。最良のオープンウェイトモデルはSWE-bench Verifiedで約80%を記録しており、Opus 4.7やGPT 5.2 Codexに匹敵する性能です。
- 現在の総合的な第一候補はQwen3.8 27Bです。Qwenの公開評価と利用できるローカルビルドをもとに選んでいます。本記事と同じ条件での比較検証は未実施です。速度を重視するなら、元の4モデル検証で220 tok/sを記録したQwen3-Coder 30Bも候補です。
- 大容量メモリのマシンではLaguna S 2.1も候補です。Poolsideの118B MoEモデルはアクティブパラメータが8Bで、長時間のエージェント型コーディングを対象としています。必要なメモリは量子化形式によって異なります。
- 最高性能のモデルではなく、自分のマシンで実行できるコーディング向けローカルモデルを選びましょう。パラメータ数が200Bを超えるモデルを実用的な速度で動かすには、特別なハードウェアが必要です。80B以下のモデルを選び、量子化でさらに3~4倍に圧縮してください。VRAM(Macユーザーの場合はユニファイドメモリ)が30 GB未満なら、27B~30Bのモデルを選びましょう。
- Atomic Chatを使えば、コーディング向けの最良のローカルモデルをワンクリックで実行できます。Atomic Chatは、Hugging Faceからオープンウェイトモデルをダウンロードし、自分のハードウェアで実行できるオープンソースのアプリです。OpenAI互換APIを備えているため、モデルを任意のIDEやClaude Codeに簡単に接続できます。
2026年にコーディング向けのローカルモデルを使う理由
オープンウェイトモデルは今や、完全にローカルのハードウェアで動作しながら、前世代のプロプライエタリなフラッグシップモデルに匹敵する性能を発揮し、日々のソフトウェア開発でも十分に競争力を持っています。オープンソースLLMをローカルで実行すれば、ローカルAIのあらゆるメリットを得られます。
- プライバシー:コードやプロンプトがデバイスの外に出ることはありません。非公開のコード、クライアントの業務、NDAの対象となる作業では、ローカルLLMだけが、データを非公開に保ち、第三者のサーバーに送らずに済む選択肢です。
- 費用がかからない:オープンウェイトモデルは無料でダウンロードでき、どれだけ生成してもトークン単位のAPI料金は発生しません。
- オフラインで利用可能:インターネットに接続していなくても、どこでもモデルを使えます。レート制限もありません。
| モデル | 種類 | SWE-bench Verified | 家庭用GPUでローカル実行できるか |
|---|---|---|---|
| Claude Mythos 5 | プロプライエタリ | ~95.5% | いいえ |
| Claude Opus 4.8 | プロプライエタリ | ~88.6% | いいえ |
| DeepSeek-V4-Pro-Max | オープンウェイト | ~80.6% | いいえ。80 GB以上が必要 |
| Qwen3.7 Max | オープンウェイト | ~80.4% | いいえ。80 GB以上が必要 |
| Laguna S 2.1 | オープンウェイト | 該当なし。SWE-bench Proでは59.4% | いいえ。約67 GB以上が必要 |
| Qwen3.6 27B | オープンウェイト | 77.2% | はい。24 GBのGPU 1枚 |
注:絶対的な性能で最良のローカルモデルを語るのは興味深いものの、こうした200B~300B超のモデルを日常的なハードウェアで実行するのは現実的ではありません。一般的な目安は、パラメータ10億個につき約1 GBのVRAMです。そのため、GPUメモリが300 GBを超えて必要になるモデルもあります。
とはいえ、2026年初頭には中小規模のモデルの品質が大きく向上し、24B~30Bのモデルで、わずか数か月前にはフラッグシップ級とされていた性能の80~90%を得られるようになりました。
元の実機比較の対象はQwen3-Coder-Next 80B、Qwen3-Coder 30B、Gemma 4 26B A4B、Qwen3.6 27Bです。後から追加したLaguna S 2.1とQwen3.8 27Bには、同じ2タスクの比較結果はありません。以下では、独自の実測値と開発元の公開評価を区別します。
検証方法
コーディング向けの最良のLLMを評価するにあたり、次の点を考慮しました。
- 公開ベンチマーク
- 複数のコーディングテストでの結果
ベンチマークでは、次を考慮しました。
- SWE-bench Verified:モデルが実際のGitHubのIssueを修正する必要があります
- LiveCodeBench:モデルが知識のカットオフ日以降に公開されたプログラミング問題を解く必要があります
- Terminal-Bench:モデルがコマンドライン上でエージェント型タスクを実行する必要があります
検証の後半では、同じハードウェア上のAtomic Chatで4つのモデルすべてを実行し、それぞれに同じ2つのプロンプトを与えました。
- プレイ可能なスネークゲームを作成し、負けるまでプレイしてください
- ボールが跳ね返る物理シミュレーションを作成してください
毎秒のトークン数で表した生成速度、各モデルが使用したトークン数、生成物が正しく動作したかを記録しました。物理シミュレーションにどう対応したかを示す動画がこちらです。
スネークゲームの作成とプレイにどう対応したかは、こちらで確認できます。
コーディングに最適なローカルLLM
現在のおすすめを含む6つの候補です。Qwen3.6 27Bは、元の検証結果を確認できる比較対象として残しています。
- Qwen3.8 27B
- Qwen3-Coder-Next 80B
- Laguna S 2.1
- Qwen3-Coder 30B
- Gemma 4 26B A4B
- Qwen3.6 27B
6モデルの主な仕様です。「未測定」は元の4モデル比較に含まれていないことを示します。
| モデル | 開発元 | パラメータ数 | コンテキスト長 | Q4でのVRAM使用量 | 速度(今回の検証) |
|---|---|---|---|---|---|
| Qwen3.8 27B | Alibaba | 27B(デンスモデル) | 262,144(最大1Mに拡張可能) | メモリ要件を確認 | 本記事の比較では未測定 |
| Qwen3-Coder 30B | Alibaba | 30.5B / 3.3B(MoE) | 256K(1M) | 約22 GB | 220 tok/s |
| Qwen3-Coder-Next 80B | Alibaba | 80B / 3B(MoE) | 256K | 約45 GB | 5.5 tok/s |
| Laguna S 2.1 | Poolside | 118B / 8B(MoE) | 256K(1M) | 約96 GB | — |
| Gemma 4 26B A4B | 26B / 約4B(MoE) | 256K | 約12~18 GB | 136 tok/s | |
| Qwen3.6 27B | Alibaba | 27B(デンスモデル) | 256K(1M) | 約17~18 GB | 47 tok/s |
続いて、各モデルの詳しい概要、ベンチマーク結果、独自検証での実力を紹介します。
Qwen3.8 27B:現在の第一候補
Qwen3.8 27Bを、ローカルでコードを書くための総合的な第一候補としています。Qwenは、同社の公開評価で旧世代のQwen3.6 27Bを上回るコーディング結果を報告しています。
Qwenの公式モデルカードでは、SWE-bench Proが61.7、Terminal Bench 2.1が73.0、LiveCodeBench v6が90.3です。これは開発元による評価で、本記事のスネークゲームや物理シミュレーションの実測値ではありません。SWE-bench Proの値をSWE-bench Verifiedと混同しないでください。
AtomicChatのAD-Q4_K_Mは17.1 GBの重みファイルです。実行時にはコンテキストキャッシュやランタイムにもメモリが必要です。量子化とコンテキスト長はQwen3.8 27Bのローカル実行ガイドを参考に選んでください。
検証範囲:本記事と同じ条件でのQwen3.8 27Bの速度・2タスク比較はまだありません。以下の47 tok/sやスネークゲームの結果はQwen3.6 27Bのものです。
Qwen3-Coder 30B
どのようなモデルか?Qwen3-Coder 30BはAlibabaのQwenチームが開発したコーディングモデルです。Qwen3-Coderファミリーに属し、Apache 2.0ライセンスで配布されています。30.5Bのパラメータを持つMixture-of-Expertsモデルで、トークンごとに約3.3Bがアクティブになります。128個のエキスパートのうち、各パスで8個がルーティングによって選ばれます。256Kトークンのコンテキスト長を備え、YaRNで1Mトークンまで拡張できます。
Qwen3-Coder 30Bの主な仕様は次のとおりです。
| 仕様 | 詳細 |
|---|---|
| 開発元 | Alibaba(Qwenチーム) |
| リリース時期 | 2025年(Qwen3-Coderファミリー) |
| アーキテクチャ | Mixture-of-Experts(エキスパート128個、アクティブ8個) |
| パラメータ数 | 総数30.5B / アクティブ3.3B |
| コンテキスト長 | 256Kトークン(YaRN使用時は1M) |
| 必要なVRAM | 約22 GB(Q4_K_M) |
| ライセンス | Apache 2.0 |
| 今回の検証での速度 | 220 tok/s |
Qwenチームによると、30B-A3Bはエージェント型コーディングに特化して調整されており、非常に効率的なモデルです。独自検証では、物理シミュレーションのタスクを約1,840トークンで完了しました。これは4つのモデルの中で最もトークン効率の高い結果でした。
Qwen3-Coder 30Bの長所:
- 毎秒220トークンで今回の検証では最速。80Bの約40倍
- トークン効率が最も高い
- 24 GBのGPU 1枚に収まる
Qwen3-Coder 30Bの短所:
- 思考モードがない
Qwen3-Coder 30Bを選ぶべき場合:対話の応答速度を重視する場合の候補です。元の4モデル比較では220 tok/sで最速でした。Qwen3.8 27Bと同じ条件での速度比較はしていません。
Qwen3-Coder-Next 80B
どのようなモデルか?Qwen3-Coder-Nextも、AlibabaのQwenチームが2026年2月にリリースしたオープンウェイトのコーディングモデルです。
この記事ではQwenモデルを複数取り上げていますが、それはAlibabaのチームが世界でも特に優れたローカルAIモデルを開発しているためです。
Qwen3-Coder-Next 80Bは、総パラメータ数80BのMixture-of-Expertsアーキテクチャを採用しています。各トークンでアクティブになるのは約3Bのみで、512個のエキスパートのうち、各パスでルーティングによって選ばれた10個と共有エキスパート1個を使用します。
このモデルはエージェント型コーディング向けに開発されており、ネイティブで256Kトークンのコンテキスト長に対応しています。トークンごとにアクティブになるパラメータが3Bだけであるため、Qwenは、アクティブな計算量が10~20倍のモデルに匹敵する性能を報告しています。
Qwen3-Coder-Next 80Bの主な仕様は次のとおりです。
| 仕様 | 詳細 |
|---|---|
| 開発元 | Alibaba(Qwenチーム) |
| リリース時期 | 2026年2月 |
| アーキテクチャ | Mixture-of-Experts(エキスパート512個、アクティブ10個 + 共有1個) |
| パラメータ数 | 総数80B / アクティブ3B |
| コンテキスト長 | 256Kトークン |
| 必要なVRAM | 約45 GB(Q4) |
| ライセンス | Apache 2.0 |
| 今回の検証での速度 | 5.5 tok/s |
Qwenが公開しているコーディングベンチマークでのQwen3-Coder-Next 80Bのスコアは、次のとおりです。
| ベンチマーク | スコア |
|---|---|
| SWE-bench Verified | 70.6% |
| SWE-bench Pro | 44.3% |
| Terminal-Bench 2.0 | 36.2% |
Qwen3-Coder-Next 80Bの長所:
- 推論の品質が非常に高い
- 256Kのコンテキスト長
Qwen3-Coder-Next 80Bの短所:
- 約45 GBのVRAMまたはユニファイドメモリが必要
- 一般消費者向けハードウェアでは低速
Qwen3-Coder-Next 80Bを選ぶべき場合:約45 GBのVRAMを備えたマシンや大容量メモリを搭載したMacなど、強力なマシンがあり、最高の推論性能を求める場合です。あるいは、ハードウェアの性能がそれほど高くなくても、長時間にわたるタスクを与え、一晩かけて実行させておいても構わない場合に向いています。
Laguna S 2.1
どのようなモデルか?Laguna S 2.1はPoolsideのオープンウェイトのコーディングモデルで、2026年7月21日にOpenMDW-1.1ライセンスでリリースされました。総パラメータ数118B、トークンごとのアクティブパラメータ数が約8BのMixture-of-Expertsモデルで、エージェント型コーディングと長時間にわたるソフトウェアエンジニアリング作業のために設計されています。
このモデルは最大1Mトークンのコンテキスト長に対応し、標準と思考の2つのモードで動作します。思考はデフォルトで有効になっており、計算量の上限を自動で設定します。Terminal-Bench 2.1では、これによりスコアが60.4%から70.2%に向上します。
Laguna S 2.1の主な仕様は次のとおりです。
| 仕様 | 詳細 |
|---|---|
| 開発元 | Poolside |
| リリース時期 | 2026年7月 |
| アーキテクチャ | Mixture-of-Experts |
| パラメータ数 | 総数118B / アクティブ8B |
| コンテキスト長 | 最大1Mトークン |
| 必要なVRAM | 約96 GB(Q4)、約67 GB(NVFP4) |
| ライセンス | OpenMDW-1.1 |
Poolsideが公開しているベンチマークでのLaguna S 2.1のスコアは、次のとおりです。
| ベンチマーク | スコア |
|---|---|
| Terminal-Bench 2.1 | 70.2% |
| SWE-bench Pro | 59.4% |
| SWE-bench Multilingual | 78.5% |
| Toolathlon Verified | 49.7% |
このTerminal-Benchの結果により、Laguna S 2.1は総合ランキングで11位となり、数倍の規模を持つオープンモデルを上回っています。ベンチマークの実行条件は開発元によって異なるため、別のモデルのスコアとの単純比較はできません。Poolsideは、83kのターミナルタスクを含む409kのエージェント型および非エージェント型の環境でこのモデルを訓練しました。また、素のJavaScriptで動作するブラウザエンジンを約50分で構築するデモを公開しています。
Laguna S 2.1の長所:
- 同規模のオープンモデルの中で、エージェント型コーディングの結果が最も優れている
- アクティブパラメータが8Bのみなので、モデルがメモリに収まれば高速に生成できる
- 1Mトークンのコンテキスト長
Laguna S 2.1の短所:
- 低ビット量子化でも、約67~96 GBのVRAMまたはユニファイドメモリが必要
- ネストしたツール呼び出しで、形式が不正なJSONを生成することがある
Laguna S 2.1を選ぶべき場合:96~128 GBのMac Studio、NVIDIA DGX Spark、または複数GPUを搭載したワークステーションがあり、ローカルで実行できる最も強力なオープンウェイトのエージェント型コーディングモデルを求める場合です。より控えめなハードウェアでは、代わりに小型のLaguna XS 2.1(総数33B / アクティブ3B)を検討してください。
Gemma 4 26B A4B
どのようなモデルか? Gemma 4 26B A4BはGoogle DeepMindのオープンウェイトのMixture-of-Expertsモデルで、2026年4月2日にApache 2.0ライセンスでリリースされました。総パラメータ数は26Bですが、トークンごとにアクティブになるのは約4Bのみで、128個の小さなエキスパートのうち各パスで8個が動作します。つまり、26B全体から品質を引き出しながら、4Bモデルの速度とコストで動作します。
スライディングウィンドウアテンションによって256Kのコンテキスト長に対応し、コンテキストが長くなってもメモリ使用量の急増を抑えます。ここで取り上げる4つのモデルの中では、メモリ容量の小さいGPUに最も収めやすいモデルです。
Gemma 4 26B A4Bの主な仕様は次のとおりです。
| 仕様 | 詳細 |
|---|---|
| 開発元 | Google DeepMind |
| リリース時期 | 2026年4月 |
| アーキテクチャ | Mixture-of-Experts(エキスパート128個、アクティブ8個) |
| パラメータ数 | 総数26B / アクティブ約4B |
| コンテキスト長 | 256Kトークン |
| 必要なVRAM | 約12 GB(Q4)、余裕を持って動かすなら約18 GB |
| ライセンス | Apache 2.0 |
| 今回の検証での速度 | 136 tok/s |
Googleが公開しているコーディングベンチマークでのGemma 4 26B A4Bのスコアは、次のとおりです。
| ベンチマーク | スコア |
|---|---|
| LiveCodeBench v6 | 77.1% |
| AIME 2026(数学) | 88.3% |
| GPQA Diamond(科学) | 82.3% |
注:Gemma 4のSWE-bench VerifiedのスコアはQwenモデルより明らかに低く、大規模リポジトリのタスクでは効果が劣ります。
独自検証では、スネークゲームとボールが跳ね返るシミュレーションの両方を正常に作成しました。動作も高速で、毎秒約136トークンを生成しました。Atomic ChatのMulti-Token Predictionを有効にすると、スループットは最大3倍に向上しました。
Gemma 4 26B A4Bの長所:
- 約12 GBのVRAMから実行可能
- 高速で、Atomic Chatでは最大3倍の高速化が可能
- 競技プログラミング、数学、科学のベンチマークに強い
Gemma 4 26B A4Bの短所:
- SWE-bench Verifiedやエージェント型のリポジトリ作業では劣る
- 今回の検証で最も冗長なモデル。スネークゲームのタスクでは約3,724トークンを使用し、同程度の出力を得るのに30Bよりはるかに多くのトークンを費やした
Gemma 4 26B A4Bを選ぶべき場合:GPUのVRAMが12~16 GBの場合、または非常に高速な推論を求める場合です。
Qwen3.6 27B
どのようなモデルか? Qwen3.6 27Bは、Qwen3.6ファミリー初のデンスモデルであるオープンウェイトモデルで、この記事で取り上げるQwenファミリーのモデルの1つです。Alibabaが2026年4月22日にリリースしました。Qwen3.6 27Bはパラメータ数27Bのデンスモデルであり、すべてのトークンで全パラメータがアクティブになります。そのため実行の負荷は高くなりますが、ハードウェアが十分であれば、少し高い性能を発揮します(少なくとも理論上はそうであり、詳しくは後述します)。
特筆すべき点として、Qwen3.6 27BはマルチモーダルLLMであり、テキスト、画像、動画を送ると、それらを理解できます。大規模なコードベースを扱うために、約1Mトークンまで拡張できる256Kのコンテキスト長を備えています。性能面では、エージェント型コーディングで、はるかに大きい397BのQwen3.5 MoEを上回り、Claude 4.5 Opusとおおむね同等です。
Qwen3.6 27Bの主な仕様は次のとおりです。
| 仕様 | 詳細 |
|---|---|
| 開発元 | Alibaba(Qwenチーム) |
| リリース時期 | 2026年4月 |
| アーキテクチャ | デンスモデル(全パラメータがアクティブ) |
| パラメータ数 | 27B |
| コンテキスト長 | 256Kトークン(拡張時は1M) |
| 必要なVRAM | 約17~18 GB(Q4_K_M) |
| ライセンス | Apache 2.0 |
| 今回の検証での速度 | 47 tok/s |
Qwenが公開しているコーディングベンチマークでのQwen3.6 27Bのスコアは、次のとおりです。
| ベンチマーク | スコア |
|---|---|
| SWE-bench Verified | 77.2% |
| SWE-bench Pro | 53.5% |
| Terminal-Bench 2.0 | 59.3% |
| LiveCodeBench v6 | 83.9% |
独自検証では、このモデルが4つの中で最も優れたスネークゲームを作成してプレイし、クラッシュすることなくハイスコア80を達成しました。しかし意外にも、物理シミュレーションのタスクに失敗したのはこのモデルだけで、ボールが跳ね返るシミュレーションでは動きが非常に不規則になり、不自然な加速が見られました。また、トークンごとに27Bの全パラメータを使用するため、毎秒47トークンとMoEモデルより低速でした。
Qwen3.6 27Bの長所:
- 開発元によるコーディング評価を公開
- テキスト、画像、動画の入力に対応
Qwen3.6 27Bの短所:
- MoEモデルに比べて低速で、実行の負荷が高い
- 独自の物理シミュレーションテストに失敗
Qwen3.6 27Bの位置づけ:元の検証で使った旧世代のデンスモデルとして残しています。新しく導入する場合の第一候補はQwen3.8 27Bです。上記の速度とゲームの結果は、引き続き3.6の記録です。
注目に値するモデル
多くの人にとって自宅での実行が現実的ではなくても、2026年のコーディング向けの最良のローカルモデルに触れなければ、このリストは不完全です。注目に値するモデルとして、次を紹介します。
DeepSeek-V4-Pro
DeepSeek-V4-ProはDeepSeekのオープンウェイトのMixture-of-Expertsモデルで、2026年4月24日にリリースされました。総パラメータ数は1.6兆、トークンごとのアクティブパラメータ数は49Bで、1Mトークンのコンテキスト長を備えています。SWE-bench Verifiedでは約80.6%を記録しており、プロプライエタリモデルを開発する研究機関以外では最高の公開結果です。この規模では80 GB以上のVRAMが必要になるため、家庭向けというより、データセンターや複数GPU向けのモデルです。
GLM-5.1
GLM-5.1はZ.AI(旧Zhipu AI)のオープンウェイトモデルで、2026年4月7日にMITライセンスでリリースされました。総パラメータ数754B、アクティブパラメータ数40BのMixture-of-Expertsモデルで、約200Kトークンのコンテキスト長を備え、長時間にわたるエージェント型タスク向けに開発されています。コーディングのランキングで上位に位置していますが、主なスコアは大半がベンダーの自己申告です。そのため、独立した検証結果が出るまでは、具体的な数値を慎重に扱うのが適切です。
Kimi K2.7-Code
Kimi K2.7-CodeはMoonshot AIのオープンウェイトのコーディングモデルで、2026年6月にリリースされました。総パラメータ数1兆、トークンごとのアクティブパラメータ数32BのMixture-of-Expertsモデルです。Moonshotは、独自のKimi Code Bench v2でK2.6比21.8%の向上と、推論トークン使用量の約30%削減を報告しています。ただし、リリース時にSWE-bench VerifiedやProのスコアは公開しておらず、独立した第三者のベンチマークもまだ存在しません。そのため、報告されている改善は注目に値するものの、ベンダー以外による確認は取れていません。
MiMo-V2.5-Pro
MiMo-V2.5-ProはXiaomiのオープンウェイトのMixture-of-Expertsモデルで、2026年4月22日にリリースされました。総パラメータ数1.02兆、トークンごとのアクティブパラメータ数42Bで、1Mトークンのコンテキスト長を備えています。Xiaomiはエージェント型タスクで優れた結果(SWE-benchで約78.9%、Terminal-Benchで68.4%)を報告しており、高性能なオープンモデルの一角に位置します。ただし、このモデルも規模が大きいため、家庭用ハードウェアの範囲を超えています。
ほかにも知っておきたいモデル
少し前のモデルや、より特化したモデルにも、紹介しておきたいものがあります。
- DeepSeek V3.2:推論を多用する作業向け
- Devstral 2:Mistralのエージェント型コーディング専用モデル
- Codestral:高速なfill-in-the-middle自動補完向け
- Llama 4 Scout:オープンモデルで最大の10Mトークンのコンテキスト長が特徴
- StarCoder 2:完全に監査可能で、オープンなライセンスのデータで訓練されたモデルを求める場合に
コーディング向けの最良のローカルLLMを実行する方法
コーディング向けに最良のローカルLLMでも、エージェントやIDEに接続できて初めて役に立ちます。以下では、本格的なエージェント型ワークフローを求める場合でも、バイブコーディング用のプライベートなモデルが欲しいだけの場合でも、OpenAI互換のツールチェーンでコーディング向けローカルモデルを実行するための設定方法を紹介します。
ランタイムにはAtomic Chatを使用しましたが、OllamaやLM Studioを含め、OpenAI APIを提供する任意のローカル推論サーバーでも同じ設定を使えます。
セットアップ手順
- ローカルLLMランタイム(Atomic Chatなど)をインストールします。
- GPUに収まるコーディングモデルをダウンロードします。
- ローカルサーバーを起動します。
- コーディングエージェントをAPIエンドポイントに接続します。
コーディングエージェントを接続する
Atomic ChatにはOpenAI互換のエンドポイントがあります。ローカルランタイムは、次の場所でこれを提供します。
これをOpenCode、Goose、Kilo Codeなどのツールに接続できます。
OpenCodeの設定例:
- ベースURL:http://127.0.0.1:1337/v1
- アダプター:@ai-sdk/openai-compatible
- モデル名:ローカルサーバーが公開している名前と一致させる必要があります
利用可能なモデルを一覧表示:
ネットワークアクセス(任意)
デフォルトでは、サーバーは127.0.0.1でローカルに動作します。ネットワーク上の別のマシンからアクセスしたい場合は、0.0.0.0に設定してください。
ツールと速度
Atomic ChatはModel Context Protocol(MCP)にも標準対応しているため、複数のMCPサーバーを接続し、独自のツール、ファイルアクセス、ウェブ検索をモデルに提供できます。すべてのツール呼び出しを確認できるログビューアーもアプリ内に備えています。
また、このガイドで取り上げるモデルの生成を高速化する2つの技術も搭載しています。
- Multi-Token Prediction(MTP):対応モデルのスループットを30~70%向上させ、Gemma 4では最大3倍にする投機的デコーディング手法です。
- DFlash:Qwen 3.6、Gemma 4、Kimi K2.5で最大6倍の速度で動作する、ブロック拡散デコーディング手法です。
これらを有効にすると、モデルは今回測定した素の毎秒トークン数より高速に動作できます。
コーディング向けのローカルモデルを実行するには、どれだけのVRAMが必要か?
目安として、4ビット量子化ではパラメータ10億個につき約1 GBのVRAMが必要です。例えば、次のようになります。
- 7Bモデルには約4~6 GBが必要です。VRAM 8 GBのGPUで動作し、Pythonや単一ファイルのコーディングタスクに適しています。
- 13Bモデルには約8~10 GBが必要で、VRAM 16 GBのカードなら余裕を持って実行できます。
- 27B~34Bモデルには約16~24 GBが必要です。この規模はコーディング向けローカルモデルで性能のバランスが最もよく、Qwen3-Coder 30B、Qwen3.6 27B、Gemma 4はいずれもこの範囲に入ります。
- 70B以上のモデルには40 GB以上が必要で、通常は複数のGPUを使うことになります。
Mixture-of-Expertsモデルでは、計算が少し複雑になります。Qwen3-Coder-Next 80Bのようなモデルは、トークンごとにアクティブになるパラメータが3Bだけなので、小型モデル並みの計算量で生成します。ただし、80Bすべての重みを読み込む必要は変わりません。メモリ使用量は総規模に、速度はアクティブな規模に左右されます。
6モデルのハードウェア選びの目安です。Qwen3.8 27Bでは、重みファイルに加えてコンテキスト用のメモリを確保してください。
| モデル | Mac(ユニファイドメモリ) | ディスクリートGPU |
|---|---|---|
| Qwen3.8 27B | 32 GBでQ4を検討。メモリ予算を確認 | 24 GBでQ4を検討。コンテキスト長を調整 |
| Qwen3-Coder 30B | 32 GB(MシリーズPro/Max) | RTX 4090 / 3090(24 GB) |
| Gemma 4 26B A4B | 24 GB(M3 Pro / M4 Max) | RTX 4090(24 GB)、または余裕はないものの16 GB |
| Qwen3.6 27B | 32 GB(MシリーズPro/Max) | RTX 4090(24 GB) |
| Qwen3-Coder-Next 80B | 64 GB(Mac Studio) | RTX 4090 ×2(合計48 GB) |
| Laguna S 2.1 | 128 GB(Mac Studio) | NVIDIA DGX Spark(128 GB)、またはRTX 4090 ×4(合計96 GB) |
ここではMacに利点があります。ユニファイドメモリをCPUとGPUで共有するため、通常ならGPUが2枚必要な80Bモデルを、64 GBのMac Studioなら読み込めます。ただし、ディスクリートGPUは帯域幅が広いため、推論はより高速になります。
量子化とは?量子化とは、モデルの重みを16ビットから4ビットまたは8ビットに縮小する方法です。品質を少し犠牲にする代わりに、メモリ使用量を大幅に削減します。
一般的な量子化形式には、GGUF(Ollama、LM Studio、Atomic Chatで使われ、CPUとGPUに処理を分担できるため最も柔軟)と、GPTQおよびAWQ(GPU専用の4ビット形式)があります。多くの人にとって、最初に試すのに適しているのはQ4_K_MのGGUFです。品質とサイズのバランスに優れた標準的な選択肢であり、上記のVRAMの数値もこの形式を前提としています。
よくある質問
2026年のコーディングに最適なローカルLLMは?
現在の総合的な第一候補はQwen3.8 27Bです。Qwenの公開評価と利用可能なローカルビルドを根拠にしています。本記事と同じ条件での比較検証はまだありません。元の検証で速度が最も高かったモデルはQwen3-Coder 30Bです。
コーディングLLMをローカルで無料で実行できますか?
はい。モデル自体はオープンウェイトで、Hugging Faceから無料でダウンロードできます。実行に使うAtomic Chat、Ollama、LM Studioも無料です。費用はすでに所有しているハードウェアだけで、サブスクリプションやトークン単位の料金はありません。
コーディング向けローカルモデルの実行には、どれだけのVRAMが必要ですか?
4ビット量子化では、7Bモデルに約4~6 GB、13Bモデルに約8~10 GB、27B~34Bモデルに約16~24 GBが必要です。一般消費者向けGPU 1枚に収まる最も強力なモデルは、この24 GBクラスに位置するため、RTX 4090や3090のようなカードがあれば、その大半に対応できます。
ローカルLLMは、コーディングでChatGPTやClaudeを置き換えられるほど高性能ですか?
ほとんどのタスクでは、それに近い水準です。最良のオープンウェイトモデルは今やSWE-bench Verifiedで約80%を記録していますが、最上位のプロプライエタリモデルは約90~95%です。そのため、最も難しいエージェント型の問題では、依然としてクラウドが有利です。日常的なコード生成やリファクタリング、特に非公開のコードを扱う場合には、ローカルモデルで十分です。
24 GBのGPU 1枚で使うのに最適なコーディング向けローカルモデルは?
まずQwen3.8 27BのQ4ビルドを検討してください。重みファイルだけでメモリを使い切らず、コンテキストキャッシュとランタイムの分を残します。必要なコンテキスト長で収まるか確認してください。元の比較で速度を重視する選択肢はQwen3-Coder 30Bです。
VRAM 8~12 GBで使うのに最適なコーディング向けローカルモデルは?
Gemma 4 26B A4Bは4ビットなら約12 GBから動作するため、このガイドではメモリ容量の小さいカード向けで最も高性能なモデルです。12 GB未満なら、DeepSeek-Coder Liteの派生モデルなど、7B~13Bのコーディングモデルに規模を下げてください。
ローカルLLMではプライバシーが守られますか?コードは自分のマシン内に留まりますか?
はい。ローカルモデルは完全に自分のコンピューター上で動作するため、Copilot、ChatGPT、Claudeのように外部サーバーへ何かが送信されることはありません。非公開のコード、クライアントの業務、NDAの対象となる作業では、これがローカルで実行する主な理由です。
コーディングで使う場合、30BのMoEモデルと27Bのデンスモデルにはどのような違いがありますか?
Qwen3-Coder 30BのようなMixture-of-Expertsモデルは、モデル全体をメモリに読み込みますが、トークンごとにアクティブになるパラメータは数十億個だけなので、高速に生成できます。Qwen3.6 27Bのようなデンスモデルは、すべてのトークンで全パラメータを使用するため低速ですが、難しい推論ではより安定する傾向があります。今回の検証では、MoEモデルは約5倍高速で、デンスモデルはベンチマークで高いスコアを記録しました。
ローカルモデルはエージェント型コーディングやツール利用に対応していますか?
はい。Qwen3-Coder 30BとQwen3-Coder-Next 80Bは、エージェント型の作業に特化して調整されています。Atomic ChatのModel Context Protocol対応機能を通じて実行すれば、独自のツールを呼び出し、ローカルファイルを操作できます。これにより、チャットモデルがコードベースに対して操作を実行できるエージェントになります。
ローカルモデルをコーディングエージェントやIDEに接続するには?
Atomic Chatでモデルを実行すると、http://localhost:1337/v1 でOpenAI互換サーバーが提供されます。OpenCode、Goose、Kilo Codeなど、OpenAI APIに対応するエージェントやIDEプラグインであれば、そのアドレスを指定して、クラウドモデルの代わりにローカルモデルを利用できます。
Ollamaで使うのに最適なコーディング向けローカルLLMは?
24 GBのGPU 1枚でOllamaを使うなら、Qwen3-Coder 30Bがコーディング向けに最適なローカルモデルです。高速で、Q4なら余裕を持って収まります。Ollama、LM Studio、Atomic Chatはいずれも同じオープンウェイトモデルを実行するため、適切な選択はランタイムよりもVRAMによって決まります。
コーディング向けローカルLLMを、自分のコードでファインチューニングできますか?
はい。これらはオープンウェイトモデルなので、自分のコードベースでファインチューニングし、使用している技術スタックや規約に合わせられます。これはクローズドなAPIモデルではできないことです。27B~30Bモデルのファインチューニングは、大容量VRAMを備えたGPU 1枚で現実的に実行できます。ただし、ほとんどの開発者は、ベースモデルと長いコンテキスト長の組み合わせで十分な価値を得られます。

